トキは実際 別の仮想通貨をまだ残している

億万長者を意味する「億り人(おくりびと)」まで生み出した仮想通貨

しかし、コインチェックはマウントゴックスと違う道を歩み始めた。コインチェックは刑事責任を問われず、利用者に流出した仮想通貨を日本円で返金した。返金総額466億円で、被害者は7~8割取り戻した計算だ。相次ぎ損害賠償訴訟を起こされたが、急成長したコインチェックの営業利益は537億円(2018年3月期決算)。返金できるだけの利益を稼いでいた。

「『なんか、またやりたい』と気になっている。仮想通貨自体は本当に良いものですよ。手数料もかからないし、一瞬で送金できるし、『日本円』と比べると絶対こっちの方が良いのに」。トキは実際、別の仮想通貨をまだ残している。その理由は「また注目される日が来るんだろうなと思っている」から。

事件から1年。今では仮想通貨少女の仕事は「ほとんどない」。現在は仮想通貨少女と掛け持ちで参加するグループ「星座百景」が中心だ。仮想通貨少女は世間を騒がせ、多くの投資家を翻弄したコインチェックと同じくしぼんでいったが、上川は「私を変えてくれた、意味のある事件だった」と打ち明ける。

「だっておもしろくないですか(笑)。世界巻き込めるなって。あんま日本考えて無くて、世界にアプローチできるなって。タイミングをずっと伺っていた」。見た目30代半ば、男性プロデューサー、3104(サトシ、年齢非公開)は18年1月に結成したアイドルグループ「仮想通貨少女」の仕掛け人だ。

仮想通貨バブルの崩壊とコインチェックの流出騒動はセットになって、人々の脳裏に強く焼き付いた。取材した人が共通して使う言葉は「事件」。当時、誰もが2014年に起きたマウントゴックス事件を想像していたからだ。流出した仮想通貨は580億円相当で、マウントゴックス事件の約480億円を超えて過去最高。マウントゴックスは運営会社社長だったマルク・カルプレスは今でも法廷に立っている。

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世界進出構想の出足はよかった。流出事故の2週間前、1月12日のお披露目ライブに米CNNや英BBCなど海外メディアが押し寄せたからだ。3104も「今回もコインチェック事件がなかったら、どうなっていたかわからなかった」と振り返るほど、当時の仮想通貨は世界とつながっていた。そんな矢先に流出事故が起きた。上川は流出した仮想通貨ネムの担当だった。がぜん、メディアの注目も高まる。所属事務所に1日100件以上取材依頼が押し寄せた。

藤崎マーケットのトキも預けたお金が「7割ぐらい返ってきました。ゼロになると思っていたので。返ってきただけなのに、儲かったような顔してました(笑)」。これだけの大騒動を引き起こしたコインチェックは倒産せず、全額ではないものの顧客に被害も補償した。セキュリティがずさんで、経営が稚拙だったというのが仮想通貨に味噌を付けた構図だ。

声をかけられた1人が上川湖遥(こはる)(18)。「仮想通貨という名前も知らない状態だったので、何が何だかわかりませんでした。マスクを付けてメイド服を渡されて戦隊ヒーローみたいに何かと戦うのかなぁって」

しかし2018年1月にコインチェックのXEM流出事件が発生。仮想通貨全体の暴落が起こりました。2度目の高騰が2021年3月3日で、84.9円まで上昇しています。

仮想通貨少女の世界進出は道半ばだが、仮想通貨が世界共通の決済手段だからこそ、高校3年生になった上川の思いは世界への道とつながった。

「仮想通貨少女」は、仮想通貨を擬人化したアイドル少女。それぞれビットコインやモナ、リップルといった仮想通貨名を割り振られた。結成のわずか1週間前のことだった。

億万長者を意味する「億り人(おくりびと)」まで生み出した仮想通貨。1月26日はコインチェックから約580億円相当の「NEM(ネム)」が盗まれた流出事故からちょうど1年。普段、スマートフォン(スマホ)で資金を動かす利用者が慌ててコインチェック本社に殺到する姿は、バブル崩壊が始まった象徴だった。暗号資産へ改名する仮想通貨はどこへ向かうのか。ミライを探った。

そんな1人がトキだった。流出事故数カ月前の2017年11月、仮想通貨取引を始めた。芸人としてはネタにできるかもしれないが、経済的にはダメージが大きい。本人は今、何を思っているのか。のめり込んだ当時の状況も振り返りつつ、話を聞いた。

以前は仮想通貨で稼ぐ一つの選択肢でしたが、最近は電力消費がとても大きくなったことやマイニング業者の誕生により、個人の参入は難しくなりました。

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