仮想通貨領域を専門とする米弁護士、ビットコインETFやICOの有価証券問題の最新情報を解説

仮想通貨領域を専門とする米弁護士、ビットコインETFやICOの有価証券問題の最新情報を解説
仮想通貨弁護士、ビットコインETFの将来性
米国における仮想通貨・ブロックチェーン法案に詳しいJake Chervinsky弁護士がポッドキャストに出演しビットコインの将来性やICO規制など様々なトピックについて触れた。

「長期的にはビットコインETFは必要不可欠ではない」

ビットコインETFや米政府の仮想通貨に関する規制に関して意見を発信する、ブロックチェーン特化型の弁護士であるJake Chervinsky氏が人気ポッドキャスト「Tales form the Crypt」に出演した。

ビットコインに興味を持つようになったきっかけや仮想通貨の規制、ICOの取締まりやビットコインETFの意味するものなどについて2時間近く意見を明かした。

目次
  1. ビットコインETF
  2. 仮想通貨ETFの問題点
  3. ICOについて
  4. 仮想通貨規制のあり方
  5. ビットコインの法的立ち位置

ETFについて

米SECのETFに関する動きを詳しく解説することで定評のあるChervinsky氏はビットコインETFについて以下のように語った。

 

最有力のETF申請を行なっているVan Eck社、デジタル資産部門のディレクターであるGabor Gurbacs氏もビットコインの可能性を信じているが、そんなVan Eck社も長期的にはビットコインETFが必要不可欠だとは考えていない。

ETFはリスクを避けたい投資家が業界に参入する為のツールにすぎないのだ。

ビットコインが希少性のあるデジタル資産であると認知していても、自分で管理する自信がない機関投資家や一般投資家を対象としている。

その上でビットコインETFは以下の条件が実現するまで重要だとChervinsky氏は言及した。

  • ビットコインが世界的な基軸通貨として認知される
  • 採用事例の増加
  • UXの改善・向上
  • カストディの選択肢

これらが実現して「ビットコインを自己管理することが簡単になれば、ETFは不要となる」と同氏は述べた。

ETFの問題点

また同氏は現在、ビットコインETF認可の最大の足枷となっている点についても触れた。

ビットコインETFの問題点は市場操作の懸念だ。

ビットコインに対して前向きな「クリプト・ママ」ことHester Peirce氏とそのほかのコミッショナーが対立している。

ETFは詐欺や不正行為を防がなければならないが不正がETFの基軸となる取引所で行われているか、又はそもそもの現物取引で不正行為が行われているかが論点だ。

Peirce氏側は重要なのは取引所内で市場操作が行われないかであると主張している。

CboeがVan EckのETFを上場したい場合、Cboe上で不正行為が防止できれば認可されるべきだというのが同氏の主張だ。

対象的に、その他のコミッショナーはビットコインの現物市場が複数の仮想通貨取引所で大きな板を入れることによって操作されてしまっては本末転倒だと考えている。

ビットコインETF実現が意味するもの

その上で、ビットコインや仮想通貨のETFが実現した場合、どのような意味を持つのか言及している。

仮想通貨のETFが認可されることはすなわち、米政府が金や石油の取引よりも不正行為(市場操作)が行われていないと暗に認めることになる。

金や石油、貴金属などでも米政府が適度と認める範囲市場操作は、ある程度行われているが、大きな取引所や複数の取引所間で、市場監視に協力する姿勢がある。

ICOについて

またChervinsky氏は、ほかにも一世を風靡したICOについても語った。

2017年に普及したICOの波は、人の欲望を露わにした。

しかし現在、パブリックのICO市場は枯渇している。米SEC(証券取引委員会)が良い意味で殺したのだ。

ただ、全てのプロジェクトが取締対象となった訳ではない。数千あるICOプロジェクトの中でも、SECから取り締まりを受けたプロジェクトはたったの3つ(Paragon、AirFoxとGladius)だ。

取り締まり内容も、約2800万円の罰金、投資資金の返上と有価証券としての登録だったが、完全なる業務停止とは程遠い、ある意味軽い取締だった。

Gladius社に至っては、有価証券に該当する可能性があるとして、自主的にSEC側に申請したことが功を奏して罰金は下されなかった。

そもそも、SECが全てのICOプロジェクトを取り締まること自体が事実上不可能だが、すでにこれまでの摘発や発言からSEC側は、言いたいことを明らかにしている。

まだ実在しないネットワーク上でトークンを発行し、将来的な利益を約束して資金調達することは「有価証券」に該当するということになる。

SECは、ICOを完了したプロジェクトに、当局と連携を図って欲しいものと考えられる。すでに多くのプロジェクトに召喚状は送付しているが、取締の動きは無かった。政府の動きは遅い。

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仮想通貨規制のあり方

このように、ICOに対する取り締まりに対する姿勢からも伺える通り、米政府は仮想通貨に対して決してネガテイブな印象を持っているわけではない。

米政府は、ビットコイン市場を破壊しようとは思っていない。

OFAC(外国資産管理局)や金融犯罪捜査網(FinCEN)は、ビットコインの価値や将来的な便益について議論を重ねている。

仮想通貨業界を鎮圧してしまった場合、仕事が減少して、利益や資産が海外に行ってしまうことを避けたいのだ。

また政府機関の高官は、政治的な野望や将来的なキャリアも見据えてネガティブなイメージの定着を恐れている。俗に言う「天下り」は現実のものだ。

ビットコインの法的立ち位置

CFTC(商品先物取引委員会)はコモディティとして捉えているが、先物取引が可能なものは全てコモディティに該当する。

IRS(内国歳入庁)は、税金目的として財産として捉えている。またFinCEN(金融犯罪捜査網)は送金を目的とした「お金」として見ている。

何れにせよ、ビットコインは有価証券として見られていないことは明確だ。

しかし将来的には「デジタル資産」という新たな資産クラスに該当するかもしれない。デジタル資産は既存の資産クラスに例えると、希少資産である(発行数が限られている)点から貴金属に最も近いだろう。

また余談だが、米国法下では大半のものがコモディティであるが、玉ねぎは該当しない。

20世紀中盤に、玉ねぎの先物取引が寡占状態となっていたため、禁止されたからだ。

普段知られている弁護士としての立場からではなく、仮想通貨の将来性を信じる人として様々な題目について語ったポッドキャストについて、Twitter社のCEOであるJack Dorsey氏も以下のように言及していた。

すばらしいエピソードだった。

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