ビットコイン価格推移に米ドルとの逆相関|金融市場の重要性が急速に変化
- ビットコイン価格推移に金融市場の相関性
- ビットコイン相場は29日、昨日の好調な値動きを引き継ぐ形で堅調な推移をしているが、価格レンジを中長期に伸ばすと他の金融市場の推移に影響されている可能性が浮上した。
ビットコインの値動き
ビットコイン相場は29日、昨日の好調な値動きを引き継ぐ形で堅調な推移をしており、11時時点でも上昇後の大きな反落はなく推移しています。
出典:TradingView
また市場全体の時価総額は、ビットコインが上昇に転じた14日に記録した1899億USD(21兆1291億円)から本日の2323億USD(25億8467億円)と、約15日間で日本円換算4億7176億円の回復を見せました。
出典:TradingView
特にここ2日間は、ビットコインのみならず、アルトコインも比例して価格を上昇させたため仮想通貨市場時価総額の上昇率も高く、137億USD、日本円換算では約1.5億円の市場規模拡大となりました。
出典:altdex.co
直近の価格推移はUSDの逆相関?
ビットコインは当初、新たな金融資産としてどの政府にも属さない形で生まれたことなど、既存の金融資産やその取引とは違う形で人々に認知され、取引が行われてきました。
その様な経緯から、株式や為替などを含む既存の金融商品とは相関性のない価格変動が起きている考えられており、投資指標としての他の金融市場、またその影響は今までかなり軽視されていたと考えられますが、最近では政府の法整備も米国や日本を中心に進みつつあり、既存の金融市場のトレーダーの参入なども含め、影響がではじめているとの指摘が海外メディアを中心に報道されるようになってきました。
仮想通貨データやニュースなどを配信するwww.investing.comも、この金融市場との相関関係が急速に変化していると言及。
直近2ヶ月のビットコイン価格の推移は、米ドルの変動に逆相関している可能性があるといった興味深い記事が投稿されました。
出典:investing.com
このチャートは、BTC/USD(bitfinex)と、アメリカドル(USD)のインデックス指数のチャートの変化を示したチャートとなります。
この中でも、Cboe関連VanEck版ビットコインETFの許可日程が判明した7月17日は、直近でもっとも期待されたファンダメンタルズ要因の進展が発表されたことで値を上昇し、相関関係が崩れているものの、他の価格推移はほぼ逆相関関係が見られていることがわかります。
このような動きはコモディティ関連ではよくみられるとした上で、ドル価格が下がれば石油や金を買うのにそれだけ多くの資金(ドル)が必要となり、ドルが市場規模を広げるに連れ、人々がビットコインよりドルに信頼を置いており、ドルが下がれば逆(ビットコインに信頼を置いている)が起きているのではないかと推測しました。
エマージング・マーケットとの相関も
直近では、米国投資コンサルタント企業FundstratのアナリストTom Lee氏も、CNBCの経済番組Trading Nation内にて、ビットコインの相場とエマージング・マーケット(新興市場/EM)との関連性を語っています。
MSCI エマージング・マーケット・インデックス(EM)は、新興国の株式を対象とする株価指数(インデックス)指数となり、新興諸国市場24カ国の大型株と中型株を対象する830銘柄で構成されています。
TomLee氏は、この新興市場関連の指数がトレンド転換しない限り、投資家心理が新たな金融資産であるビットコインに目が向かず、関連性は今後も続く可能性があると、中長期の目線でビットコインの価格推移を見る上で、EMの重要性を説きました。